栗林 稔 先生
東北大学 データ駆動科学 AI教育研究センター 教授
本学では、全学規模で実施する機械学習のプログラム演習に向けて、自動で採点できる教育システムを探しておりました。Webサイトを閲覧したことをきっかけにCES-Alphaに興味を持ち、導入に至りました。講義の準備に際して、CES-Alphaのシステムの使い方から演習課題の作成のアドバイス、サンプル資料の提供も含めて、スタッフより手厚いサポートを頂きました。おかげで、初年度から大きなトラブルなく450名を超えるクラスにおいて運用することができました。受講生からは、CES-Alphaを通して課題を提出すれば瞬時に自分のコードの採点がなされてフィードバックが返ってくることから、間違いを修正して再提出するまでの過程を楽むことができたとの意見も挙がっております。
CES-Alphaは、単純な穴埋め課題だけでなく、特定の条件を満足するコードを作成する課題にも対応しており、上手に課題を設定すれば自由度のあるコードの作成を受講生に学んでもらうこともできます。また、AIによるサポート機能をうまく活用することで、教員およびTAに質問する前に受講生がヒントを得ることができ、教員スタッフの負担の軽減を図ることもできます。AIサポート機能は受講生からも概ね好評であったとアンケート結果から確認できております。
熊野 英和 先生
新潟大学 創生学部 教授
CES-Alphaを知ったきっかけは、2021年9月のとある学内講演会でした。それ以来、年間6つ程度の授業でCES-Alphaを便利に活用させて頂いております。
主な活用法としては、授業毎のサイトを作成して必要な情報や資料を学生と共有したり、レポート機能を用いた各種レポートの受理、アンケート、またサーバー機能を活用したプログラミングの授業の実施等が挙げられます。特にレポート機能は、学生から提出されたファイルをダウンロードせずともその場でプレビューできるため、評価や返信コメント入力といった作業が一画面上で完結でき、さらに一覧表示では学生の課題提出状況が即座に分かるため、管理面で大変効率が上がりました。
またアンケートやレポート提出時に学生が入力してくるコメントを参考にして次回の授業内容を組み立てたり、共通的なコメントは授業専用サイトに掲載してコメントを添えて学生と共有するなど、双方向性が高まることで学生の授業への参加意識も向上しているように見受けられます。
また機能の追加要望等に積極的に応えて頂けるなど、小回りが利く点も大変大きな魅力です。CES-Alphaは、情報系やプログラミング関係の授業はもちろん、そうでない場合でも大きなメリットがあると思います。
八百幸 大 先生
早稲田大学高等学院 教諭
本校では、情報科におけるプログラミングとデータ分析の授業でCES-Alphaを利用しています。以前は、生徒が自分のパソコンに統計分析やデータ可視化を行うソフトウェアである「R」をインストールし、コマンドを入力してスクリプトファイルを作成する必要がありました。このため、Rの使い方に加えて、パソコンの基本的な知識も求められ、初心者には大きなハードルとなっていました。
しかし、CES-Alphaはクラウドサービスとして提供されているため、生徒はインターネットに接続できれば、どこからでもRを利用できます。これにより、パソコンの操作に不慣れな生徒でも、Rを使い始めることが気軽にできます。
また、CES-AlphaではJupyter Labというツールを使うことで、プログラムをステップごとに実行できるようになります。Jupyter Labでは、実行したプログラムとその結果、問題文や解説も含めて一つのファイルにまとめることができ、教材の作成や結果の管理が非常に容易になります。さらに、データファイルをドラッグ&ドロップで簡単に取り込めるため、特別な設定をせずにデータを扱うことができます。
CES-Alphaの学習管理システム(LMS)機能により、生徒が作成したファイルのチェックがしやすくなります。生徒たちからは、CES-Alphaのおかげでプログラミングやデータ解析が身近になり、効果的に学習できるようになったという声が多く聞かれます。
CES-Alphaは、プログラミング教育をより手軽で効果的にする革新的なツールです。
吉田 賢史 先生
早稲田大学高等学院 教諭
CES-Alphaの数学演習テスト機能は、PythonのSymPyと独自の数式処理エンジンを用いた自動採点システムです。他にも同様のシステムは,Moodle STACKやWirisQuizzesなどがあります。通常の学習管理システム(LMS)の標準機能の穴埋め問題の場合は、学習者の解答を予測して、解答パターンを準備しなくてはなりません。CES-AlphaやMoodle STACKのように数式処理エンジンを搭載したLMSの場合、用意する解答は1つだけでよく、式が等価であれば正解と判定してくれます。
CES-AlphaとMoodle STACK、WirisQuizzesとの違いは、時間をかけず問題作成できる点です。例えば、「f(x) = 2x + 1の導関数f'(x)を求めよ。」のような問題を出題したければ、TeX形式「$f(x)=2x + 1$の導関数$f’(x)$を求めよ。」で表した後、乱数で値を決めたい係数や定数項を変数aやbに書き換えるだけです。この例の場合、「$f(x)=a x + b$の導関数$f’(x)$を求めよ。」と記述するだけなので、問題作成に時間がかかりません。乱数の発生のさせ方も非常に楽で「a=2,…,5」や「b=-5,…,-1,1,…,10」のように記述するだけです。
さらに、マーク式の解答も簡単に作成できるので、中学生や高校生にとっても有用なツールとなり得ます。私の場合、マーク式の解答は、生徒が答えだけ合えばよいという結果主義にならないように、途中経過をノートに問題とともに記述するように伝えています。加えて、マーク形式は,解答の書き方の作法を学ぶという視点で生徒に利用してもらっています。数学や理科の教員に伝わる解答とはどういうものか、メモ的な解答になりがちなマーク形式の解答を相手に伝わるように記述してもらっています。
間違えた問題は、全て正解するまで何度でもチャレンジすることが可能です。多くのLMSでは解答するごとに乱数を発生させるため問題が少し変更されてしまいますがCES-Alphaは最初に取り組んだ問題を維持してくれます。CES-Alphaを使用することで、生徒はどこを間違えたのかを自ら発見する事ができ、自身の間違えやすい箇所を認識することができます。
生徒は自宅で時間をかけて問題演習に取り組み、その演習内容のノートをLMSに画像提出する。教員はその画像を用いて解答者を匿名にした解答記述を授業中にプロジェクタなどで共有し、教室の皆で,条件は抜けていないか、どうすれば読みやすい解答になるか、などをディスカッションする。そのような授業展開を可能にしてくれるシステムです。
加えて、すぐに正解・不正解の結果がわかるため、生徒一人ひとりにあったテンポで進めることができます。自身のリズムで進められることで、間違いへの気づきや正解したときの嬉しさを感じられるようで、Slow Learnerにとってもよいシステムです。生徒の知識・技能の伸長だけでなく、学びに向かう力を育むきっかけになると感じています。